Audiostockの料金を整理|単曲購入とサブスクの損益分岐点と乗り換え判断軸【2026年版】

Audiostockを使い続けるか、単曲購入と定額制のどちらを軸にするか、それとも別のサービスに移すか。月の利用本数や案件の種類で最適解は動きます。料金体系・ライセンス・解約後の扱いを正確に押さえないまま判断すると、契約更新のタイミングで「自分にはどの形が合うのか分からなくなった」という迷いが残ります。

この記事は、契約中の方や検討中の方に向けて、2026年5月時点の公式情報をもとに「単曲購入と定額制の損益分岐点」「規約上の利用範囲」「Tunelushを含む他サービスとの並列比較」を整理しました。優劣を断じる内容ではなく、用途別にどの形が合うかを判断する材料を並べていきます。

1. 2026年5月時点の料金体系

Audiostockは、楽曲・効果音・ボイスを4万人以上のクリエイターが提供するマーケットプレイス型のサービスです。2024年12月時点で総楽曲数100万点以上を掲げ、毎月4,000点以上のペースで作品が追加されています。

料金は「単品購入(買い切り)」と「定額制(サブスクリプション)」の2系統。後者には3プランがあります。

単品購入

価格・お支払いについて(単品購入の場合)によると、BGMは1点1,210円〜、効果音は一律660円。商用利用安全で、一度購入すれば追加の印税を払わずに繰り返し使えます。

定額制プラン

公式の定額制プランで公開されている3プランを表にまとめると、こうなります。

プラン 年払いの月換算 月払い 利用可能点数 DL上限 主な利用範囲
動画配信者プラン 858円(税込) 60万点以上 100回/日 契約者本人が運営するYouTube・SNS
スタンダードプラン 2,365円(税込) 2,970円 90万点以上 100回/日 YouTube・SNS・企業VP・Web広告・放送・CM・映画・ゲーム・アプリ
エンタープライズプラン 24,200円〜(税込) 90万点以上 無制限 複数ユーザー・全用途

すべて契約期間は1年。スタンダードプランには30日の無料トライアルが用意されています。トライアル期間中の利用範囲(DL曲の公開可否など)はキャンペーンや時期によって条件が変わる場合があるため、申し込み前に公式トライアル規約で最新条件を確認するのが安全です。

動画配信者プランは「契約者本人が運営するアカウント」に限定された設計で、企業VP・Web広告・テレビCMなどの用途は対象外。クライアントワークや法人案件で使うならスタンダードプラン以上が必要、というのが公式の整理です。

2. 単曲購入と定額制の損益分岐点

「単品で都度買う」と「サブスクで使い放題にする」のどちらが安くつくかは、年に何曲使うかで決まります。BGM単品1,210円を基準に計算してみましょう。

動画配信者プラン(年額10,296円)の場合

10,296 ÷ 1,210 ≒ 8.5。年9曲以上を単品購入で揃えると、動画配信者プランの年額を上回ります。月で言えば1曲弱のペース。週1で動画を出していて毎回違うBGMを試したいタイプの方なら、年間9曲は容易に超える数字です。

スタンダードプラン(年額28,380円)の場合

28,380 ÷ 1,210 ≒ 23.4。年24曲以上で単品購入の累計が年払いの定額制を上回る計算になります。月2曲を年12ヶ月続けるラインがクロスオーバーポイント。クライアント案件を複数本抱えて、それぞれに専用BGMを買う使い方だと早ければ半年で追い越す水準です。

ただしこの計算には注意点があります。

  • 効果音(660円)はBGM単品より安いので、BGM中心か効果音中心かで損益分岐点は前後する
  • 拡張用途(CM・映画・放送・ゲーム)にはスタンダードプランで対応する設計のため、用途を満たす最低ラインのプランを選ぶ必要がある
  • 単品購入は買い切りで一度買えば期限なく使い続けられる一方、サブスクは契約終了で利用範囲が変わる(後述)

純粋なコスト比較だけでなく、後段のライセンス条件もあわせて判断するのが安全です。

3. ライセンスの仕組み(公式規約ベース)

単品購入のライセンス

Audiostock利用規約第7条第4項にこう記されています。

「会員は、一度作品を購入すれば、その後は印税を支払うことなく当該作品を何度でも利用することができます(RF商用利用安全)。」

買い切りの永続ライセンス。第9条第1項では「商用・非商用を問わず利用可能」と明記されています。一方、第10条第1項第3号で第三者への販売・貸与・複製可能な状態に置く行為は禁止。第10条第1項第1号では作品が「主」となる利用(楽曲そのものとしての公表、ミュージックビデオ化、ユーザー選択型アプリへの組み込み等)も禁止対象です。

定額制プラン解約後の扱い

ここが乗り換え判断でもっとも重要な論点になります。Audiostock定額制利用規約第4条1項3号の原文を引用します。

「定額制会員としての地位を失った場合、定額制サービスの作品の利用を直ちに停止するとともに、定額制サービスの作品の一切を、全ての端末・記録媒体等から削除しなければなりません。ただし、定額制会員としての地位を有する期間に完成させたコンテンツに作品を利用しており、当該プロジェクトファイル等に保存されている当該作品に限り、当該プロジェクトファイル等の再編集の必要のために当該作品を保存しておくことができ(後略)」

第4条1項4号には次の条文があります。

「定額制会員としての地位を失った場合といえども、定額制会員としての地位を有する期間中に定額制サービスの作品を利用して新たに制作した成果物(定額制サービスの作品を収録して制作された動画・音楽等)の利用については影響がありません。」

整理すると、解約後の運用はこうなります。

  • 契約期間中に完成済みの動画・音楽等の成果物 → 解約後も永続的に利用可
  • 完成済みコンテンツのプロジェクトファイル内の音源 → 再編集の必要に限り保有可
  • ダウンロードしたが未使用の音源 → 解約後はすべて削除義務
  • 解約後に新規プロジェクトで音源を使うこと → 不可

「とりあえずDLしてストックしておけば解約後も使える」は規約上カバーされていません。在庫的に音源を抱える運用は、契約継続が前提になります。

返金とクーリングオフ

第5条4項に「定額制サービスはクーリングオフの適用はありません」と明記。第8条3項では支払未了時に既受領料金の返還義務を負わない旨が定められています。サービス側が中止になった場合のみ第9条2項で一部返金の手続きが規定されているのみで、ユーザー都合の途中解約での返金は基本的に発生しない設計です。

4. 他サービスとの並列比較

Tunelush・Audiostock・Epidemic Sound・Artlistの4サービスを、料金とライセンス条件で並べた表です。各サービスは想定読者・運用設計が異なるので、優劣ではなく「どの設計が自分の使い方に近いか」で読んでください。

項目 Tunelush(スタンダード) Audiostock 動画配信者 Audiostock スタンダード Epidemic Sound Creator Artlist Creator
月額 660円 858円(年払い) 2,365円(年払い)/2,970円(月払い) $9.99(年払い・月換算) $9.99(年払い・月換算)
通貨 円建て 円建て 円建て USD建て USD建て
楽曲数 1,000曲超(2026年5月時点) 60万点以上 90万点以上 約4万曲+効果音 約3.5万曲(公式公開数値)
商用利用 商用OK・無制限DL 契約者本人運営アカウントのみ 全用途(CM・放送・映画含む) 個人非商用のみ(クライアントワーク不可) 個人非商用のみ
解約後ライセンス 規約第4条(ライセンスの付与)で永続利用を明文保証 完成済みコンテンツのみ・プロジェクト再編集に限り保有可 完成済みコンテンツのみ・プロジェクト再編集に限り保有可 公開済みコンテンツのみ永続収益化可 公開済みプロジェクトのみ
契約期間 月単位で柔軟 1年 1年 年契約/月契約 年契約/月契約
Content ID 楽曲はContent ID未登録 個別楽曲ごとに登録有無あり 個別楽曲ごとに登録有無あり 自社Content IDあり 一部登録あり

※ Audiostockは作品ごとにYouTube Content ID登録の有無が異なります。詳細は公式のYouTube Content ID登録サービスで確認できます。

差別化ポイント 他サービスの一般的な設計 Tunelushの設計
解約後の新規プロジェクト使用 完成済み・公開済みコンテンツに限定 規約第4条(ライセンスの付与)で新規プロジェクト含め永続利用を明文保証
Tunelush 月660円から、円建て、規約で明文保証された永久ライセンス 解約後も新規プロジェクトを含めて使用可

Tunelushの利用規約 第4条(ライセンスの付与)では、契約期間中にダウンロードした楽曲について次のように定めています。

「ユーザーが本サービスの有料サブスクリプション契約期間中にダウンロードした本音源については、サブスクリプション契約の解約後も、本条第1項から第3項に定める利用範囲内において、永続的にご利用いただけます。」

Tunelushは2025年8月創業の新興サービスで、楽曲数では老舗のAudiostockに大きく差があります。一方で、月額の低さ・円建て決済・解約後の永続ライセンス明文化を組み合わせた設計で、特定の使い方ではコストとリスクを下げやすい構成にしています。詳細は Tunelush利用規約 で確認できます。

月660円・全ジャンル聴き放題
Tunelushは商用利用安全な
BGMサブスクリプション
永久ライセンス・Content ID未登録・DL無制限
初回3曲無料DL・商用OK
プランを見る →
Tunelushはライセンス済みBGMの
定額サブスクリプション
商用OK・Content ID未登録・日本語サポート
初回3曲無料DL・商用OK
プランを見る →

5. 用途別の選び分け5パターン

ここまでの料金とライセンスを踏まえ、典型的な5つの使い方でどの形が合うかを並べます。

1. YouTube・SNSを継続運用するクリエイター(自分のチャンネルだけ)

月の動画本数が4本以上、毎本BGMを変えたいタイプ。

  • 楽曲ストックの多さを重視 → Audiostock 動画配信者プラン(年払い 月858円・60万点)
  • 低コストと解約後の永続利用を重視 → Tunelush(月660円〜・規約で永続保証)
  • 海外サービスの幅広いカタログを試したい → Epidemic Sound Creator・Artlist Creator(USD建て)

「契約者本人運営のYouTube・SNSのみ」というAudiostockの動画配信者プラン制限は、自分のチャンネル運用だけなら問題なし。複数チャンネルを商業案件として運用する場合は対象外なので注意が必要です。

2. 月数曲しか使わない少量制作派

月1〜2曲、年間9〜24曲未満で済むタイプ。

  • 単品購入(BGM 1,210円〜)が累計コストで最安になる場面が多い
  • 永続所有が確定しているので、長期的に同じ曲を使い続けたい場合に向く
  • ただし「探す手間」「都度購入する手間」のコストはかかる

YouTube Content ID 警告が来た時の対処法5つで扱った著作権リスクを最小化したい方なら、買い切り+規約明記の組み合わせは安心材料になります。

3. クライアントワーク・代理店業務でCMや映像案件を制作

法人クライアント向け案件、テレビCM、企業VP、放送番組への納品。

クライアント案件は契約上の責任範囲が広いため、規約の利用範囲を一度プリントアウトして案件単位で照合する運用が安全です。

4. SNS短尺メイン(TikTok・Reels・Shorts)

15秒〜60秒の短尺投稿が主軸、月10〜30本ペース。

  • 月額の低さ+大量視聴に対応する解約後ルールを重視 → Tunelush
  • 楽曲のバリエーションを最優先 → Audiostock 動画配信者プラン
  • TikTok公式音源との使い分けも検討(YouTube動画が著作権で削除された時の復旧手順で触れたDMCAリスクは商用BGMでの代替が安全)

5. 法人・複数ユーザー運用

社内チームで音源を共有し、複数のクリエイターが同時利用する設計。

  • Audiostock エンタープライズプラン(年払い 月24,200円〜・無制限DL)が想定範囲
  • ユーザー数や利用範囲によって個別見積になることが多いので、公式問い合わせで確定見積を取るのが現実的

6. 乗り換えor継続を判断する3つのチェックポイント

迷ったときの判断材料を3点に絞ると、こうなります。

チェック1:解約後にどう使いたいか

「契約期間中に作った動画は永続利用できれば十分」 → AudiostockもEpidemic SoundもArtlistも条件を満たす。

「DLした楽曲を解約後の新規プロジェクトでも使いたい」 → Audiostock定額制は規約第4条1項3号で対象外。Epidemic Sound・Artlistも公開済み限定。Tunelushは利用規約 第4条(ライセンスの付与)で「契約期間中にDLした楽曲は解約後も新規プロジェクトを含めて永続利用可」と明文化。Artlistから乗り換える場合の流れは Artlistを解約する前に知っておきたい全手順 でまとめています。

チェック2:月の利用本数

年9曲未満 → 単品購入のほうが累計安くなる場面が多い。

年9〜24曲 → 動画配信者プラン or Tunelushが定額制の中で安価。

年24曲以上 or クライアント案件 → スタンダードプラン以上の用途範囲が必要なケースが多い。

チェック3:通貨と契約期間

円建て・月単位の柔軟さを重視 → Tunelush。

円建て・1年契約で楽曲数の多さを重視 → Audiostock。

USD建てで海外カタログを重視 → Epidemic Sound・Artlist(為替リスクを織り込む)。

7. よくある質問

Q1. Audiostockの定額制を解約したあと、過去にDLした音源は手元のPCから消さないといけませんか?

定額制利用規約第4条1項3号により、原則すべての端末・記録媒体から削除義務があります。例外として、契約期間中に完成済みのコンテンツのプロジェクトファイル内に保存された楽曲は、再編集の必要に限り保有可能。それ以外の単体ストックは削除対象です。詳細は公式FAQで確認できます。

Q2. 単品購入したBGMは、解約とは無関係に永続利用できますか?

はい。単品購入はAudiostock利用規約第7条第4項の商用利用安全条項に基づく買い切りライセンス。定額制の解約有無とは独立に永続利用が可能です。第10条で禁止される「主」となる利用(楽曲そのものとしての販売、MV化等)に該当しない範囲で運用してください。

Q3. JASRAC登録楽曲は含まれていますか?

よくある質問によると、Audiostockには一部JASRAC登録楽曲も含まれます。JASRAC登録楽曲をテレビ・ラジオ・店舗BGM等のJASRAC管轄範囲で利用する場合、放送局や店舗側で別途著作権処理が必要となるのが業界共通のルールです。Audiostockの楽曲ページには権利情報が明記されているので、利用前に確認するのが安全です。一方、Tunelushは全楽曲をJASRAC非登録で運用しており、店舗BGM・配信での権利処理は発生しない設計になっています。

8. まとめ

Audiostockは、4万人以上のクリエイターが提供する100万点超のマーケットプレイス型サービス。単品購入1,210円〜の永続ライセンスと、月858円〜の3階層サブスクという二段構えで、用途と予算に応じた選び分けが設計されています。一方、定額制の解約後ルールは「契約期間中の完成済みコンテンツのみ」と限定的で、在庫的に音源をストックしたい使い方とは設計が異なります。

Tunelushは月660円〜の単一プラン軸で、規約第4条(ライセンスの付与)の永続ライセンスを明文化したシンプルな設計。楽曲数で老舗に並ぶ段階ではないものの、SNS短尺中心・少量運用・解約後の柔軟な再利用を重視するクリエイターに刺さる設計を目指しています。

どちらが優れているという話ではなく、月の利用本数・案件の種類・解約後の運用想定で最適解は変わります。この記事の判断材料が、契約更新や乗り換えの一助になれば。


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無料サイトと有料サブスクの構造的な違い、規約7つのチェックポイント、Content ID・JASRAC・原盤権の基礎、サービス選定の総合判断軸10項目を網羅的に整理した 「ライセンス済みBGMの全知識|選び方・無料/有料の違い・利用時の注意点【2026年版】」 も、より広い視点での意思決定材料になります。
🔗 用途別の深掘り記事(2026年5月公開)

※本記事に記載されている各サービスの料金・機能・利用規約・解約後ライセンスに関する情報は、2026年5月7日時点で各社公式サイトに公開されている内容を参照しています。為替レートは執筆時点の参考値です。各サービスの仕様・価格・規約は予告なく変更される可能性があるため、契約や利用の前に必ず各サービスの公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の内容は法律相談ではありません。深刻なトラブルが発生した場合は弁護士など専門家への相談を推奨します。

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